医療費

入院時の食事代はいくら?健康保険の入院時食事療養費とは?

病気やケガで入院時したときに出される食事代っていくらなのか気になりますよね?

1994年9月までは、入院時の食事も健康保険が適用されていましたが、在宅で療養している人との不公平感があるため、現在は適用外になりました。

その代わりとして、「入院時食事療養費」という新たな制度が健康保険に設けられ、食事代の一部を健康保険組合が負担してくれるため、全額自己負担にはなりません。

ただし、食事代は高額療養費制度の対象にはならないため、限度額申請をしていても、自己負担することには変わりません。

数十万円は得する高額療養費制度は絶対に使おう!入院時などは事前に申請することもできます!長期の入院や手術などで、医療費が高額になってしまった時って大変ですよね? そんなときに、健康保険には高額療養費制度というものがあり...

 食事代は1食につき460円

現在、病院で出される食事代は、平均的な家計の食費などを考慮して国が決めています。そのため全国一律の料金で、1食当たり640円です。

この料金を、健康保険組合が180円負担し、患者が残りの460円を負担します。この料金は入院時食事療養費という給付のため、消費税はかかりません。

つまり、朝昼晩の1日3食にすると、自己負担額が1,380円になりますから、バカになりません…

「入院時食事療養費」とは医療機関が算定する食事代のことで、患者の自己負担分を「標準負担額」といいます。なお、健康保険組合の負担分を「入院時食事療養費」と呼ぶ場合もあります。

▼私の場合、4泊5日の入院で11回の食事を食べました。「入院時食事療養費」が医療機関が提供したトータルの食事代で、「標準負担額」が自分が負担する金額になります。

上の例だと、入院時食事療養費が「640円×11食=7、040円」です。これに、次に説明する食堂加算が加わり「1日当たり50円×5日=250円」で、合計すると7,290円になります。

健康保険組合の負担が、「180円×11食=1,980円」と、食堂加算の250円全額で、合計2,230円です。差し引きすると、自己負担額(標準負担額)は、460円×11食=5,060円になります。

名目費 内訳 金額
入院時食事療養費 640円×11食=7,040円 7,290円
(食堂加算) 50円×5日=250円
健康保険組合の負担分 180円×11食+食堂加算250円 -2,230円
標準負担額 460円×11食 5,060円

 

食堂の料金もかかるが自己負担はなし

病院や病棟内に、「ベッド数×0.5㎡」以上の広さの食堂が用意されていると、「食堂加算」という料金が加わります。

食堂加算は、談話室などの併用も可能なので、いわゆるデイルームとして設けられているところが多いです。自分が食堂を利用しても、しなくても料金が加わります。

食堂加算は1日当たりで計算し、1日に付き50円ですが、この料金には患者負担はありませんので安心してください。

食事は自分のベッドで摂る方が多いので、デイルームの利用料と言った方が納得できるかもしれません。

 住民税非課税世帯の食事代は210円

住民税非課税世帯の自己負担額は、さらに安くなり210円になります。ただし、過去1年間に90日以上入院している場合、91日目以降は160円とさらに減額されます。

そして、住民税非課税世帯で、所得が一定基準に達していない70歳以上の方は、自己負担額が100円で済みます。

また、指定難病患者小児慢性特定疾患児などは、260円になります。

区分 1食の負担額
住民税非課税世帯 過去1年で入院日数が90日未満 210円
過去1年で入院日数が90日以上 160円
所得が一定基準に満たない70歳以上 100円
指定難病患者、小児慢性特定疾患児など 260円

 

 食事の内容は?

病院の食事は、医師と管理栄養士によってメニューが管理され、患者の年齢や体型、症状などによって出される食事内容が少しづつ異なります。

しかし、栄養を考えられた食事ですので、どのような患者でも、基本的には味は薄目、量は少なめになってしまいます。

昔は、病院食はまずいと言われていましたが、最近は美味しくなってきていると思います。

食事量は、病院で出される「成人食」だと、一日1,800kcal程度が一般的で、若い男性にとってはかなり少なく感じます。

▼朝は特に少なく、主菜がない場合も…これで460円は高い?

▼お昼ごはんです。朝食より量は多めですが、魚などの和食がメインのことが多いです。

▼こちらは夕食です。この日は麻婆豆腐で、ようやく味気のあるものがでました…(笑)

また、白いご飯が多いので、ふりかけなども持ってくるのがお勧めです。

そして、産婦人科病棟だと食事の量が非常に多い傾向にあります!食べきれなくても文句は言われませんので大丈夫。

また、その産婦人科病棟と小児病棟は3時などのおやつが出るところもあります。

 食事が選べるところもある

決まった食事だとどうしても飽きてしまいますが、病院によっては、食事が複数のメニューから選択できるところもあります。

複数の中から選べるなら、好みの食事ができそうですね。

以前は入院時食事療養費の加算項目に、「選択メニュー加算」が50円加わっていましたが、現在は廃止されました。

そのため、病院によっては、その都度、自己負担の料金を徴収するところもあります。

 お正月などの行事食もある

病院によっては、お正月やクリスマスなどの時期は、特別なメニューが提供されるところもあります。

そのような場合も、特別料金はかかりませんので、安心してください。

 有料の特別食もある!

通常のメニューではない、有料特別食を提供している病院もあり、その場合は特別料金を払うことで、少し豪華なメニューが食べられます。特別食は入院時食事療養費の対象ではないので、消費税が加わります。

病院食は質素で味がいまいちな場合も多く、たまには息抜きにおいしいものを食べたいという方は頼んでみてもいいかもしれません。

ただし、特別食も、医師と管理栄養士により管理されていて、前日の決まった時間までに自分で申し込み、医師の許可が下りれば食べることができます。

▼特別食は洋風がメインで、少し豪華になります。この病院ではプラス税込324円でグラタンが食べられました。つまり、自己負担額は460円+324円で784円という豪華料理になります!(笑)

 

 増量や減量も可能です!

病院食は、年齢や、体型、症状などによって量も異なりますが、それでも若い男性にとっては少なめだったり、女性にとっては多めだったりします。

そんな時でも、看護師さんや管理栄養士さんに相談すれば、医師の許可を得て、量の増減が可能で、追加料金はかかりません!

ただし、基本的にごはんのみで、おかずの量はほとんど変わりません。

▼私の場合、通常の食事はごはん1杯が180g(左)でしたが、増量してもらって200g(中)になりました。その後さらに増量してもらい、250g(右)まで増やしてもらいました。「E2000」というのは、一日の総摂取カロリーのことです。

 

 飲み物が出ない?

食事の時には、お茶などの飲み物も飲みたいですよね?

しかし、最近は安全面、衛生面、感染面の観点から、食事の時の飲み物の提供を中止している病院も増えているようです。

そのような所だと、飲み物は自販機で買うことになりますので、毎回買っているとお財布に響いてきます。

そんな時は、みんなが利用できるデイルームなどに給湯器がある場合が多いです。そのため、水筒とティーバッグを持参して、お茶などを作ると安上がりになりますよ!

他にも、2L程度の大きめのペットボトル飲料を事前に買っておけば、安上がりにもなります。床頭台に冷蔵庫も備えられていますので、保管しておけます。

▼牛乳や飲むヨーグルト、味噌汁などは一緒に出ることもありますが、お茶を別に提供してくれないところが多いのです。

 

 食事の時間は?

食事が出される時間は、病院によって多少異なりますが、だいたい朝は7時~8時くらい、お昼は12時くらい、夜は18時くらいです。

食事は、看護師さんが病室まで運んできてくれます。そして、食べ終えたら「食札」という紙きれと共に、廊下などにある下膳カートに返しましょう。

30~40分くらいすると、看護師さんなどが下膳カートに返された食事を確認し、食事が返されていないと、「○○さん、食べましたかぁ~?」と病室まで確認に来ます。

▼この紙(食札)と一緒に、下膳カートなどに返しましょう!

 

 自分で売店で買って食べるのは?

基本的に、入院中の食事は医師と管理栄養士に管理されているため、自分でお菓子などを買った食べるのを禁止している病院が多いです。

ただ、実際問題は、食事制限がない方なら、自分で食べ物を買って食べても文句は言われませんが、こっそり食べたほうがよさそうです!(笑)

特に、昼食から夕食の間の時間が長いため、お腹が空きます。実際は結構みんな好き勝手に買って食べてました!(笑)

 点滴栄養は食事にはならない

手術前や手術後、症状などによっては、食事が禁止される場合があります。その時は点滴による栄養補給などが行われます。

しかし、点滴は食事とはみなされず、「療養の給付」に当たり、医療行為の一環なので、食事代は請求されません。

▼点滴をすればお腹は減らないので、食事代の節約になる?(笑)

 

 食事代は医療費控除の対象になる

入院時の食事代の自己負担分は医療費控除の対象になるため、領収書はきちんと取っておきましょう!

 まとめ

以上のように、入院中の食事の患者負担は、一般の方だと460円になります。

食事量が足りないという方は、増やしてもらっても料金はかかりませんので頼んでみてもいいかもしれません。

そして、お茶が出ない病院もありますので、水筒とティーバッグなどを持ってきて、給湯器でお茶を作ると、節約になります。

また、長期の入院などで、たまにはおいしいものが食べたいという方は、特別料金を払って特別食を食べてみるのも、気分転換になるかもしれませんね。