「突然のケガや病気で、入院することになってしまった…」という方も多いと思います。
入院ってあまり経験しないので、どんな生活を送るのか気になりますよねぇ~
私は、10代、20代、40代に入院し、個室、3人部屋、6人部屋に泊まった経験があります。そんな入院常習者の私が、入院生活のようすなどについて紹介したいと思います。
もちろん、病院によって、また同じ病院でも病棟によっては様子が異なります。
病院によってや、病棟によっての違いも紹介したいと思います。
入院生活の一日の日程は?
私が入院したある病院の平日の日程を、医師や看護師など、病室を訪れる人を中心にまとめてみました。
▼午前中は看護師さんなどが頻繁に出入りし、朝夕のバイタルチェック(体温や血圧測定など)や、医師の回診、食事の配膳、清掃員の出入りなど非常に慌ただしいです。
ただ、お昼過ぎは比較的静かになります。患者の親族などが2~3人お見舞いにくれば、賑やかになったりします。
時間 | 日程、病室を訪れる人 |
6時 | 起床 |
6時半ころ | 看護師の声掛け |
7時ころ | 朝食が運ばれてくる |
9時ころ | 看護師によるバイタルチェック |
9時半ころ | 清掃員が軽く掃除にくる |
10時ころ | 医師の回診(平日のみ) |
12時ころ | 昼食が運ばれてくる |
13時ころ | 面会開始時間(患者の親族が現れ始める) |
わりと静か | |
16時ころ | 医師の回診(平日のみ)ない場合も |
17時ころ | 看護師のバイタルチェック |
18時ころ | 夕食が運ばれてくる |
19時ころ | 面会時間終了 |
22時 | 看護師が見回りに来て消灯 |
0時ころ | 深夜の看護師の見回り |
3時ころ | 深夜の看護師の見回り |
上の表は決まった時間帯に来る人だけですが、それ以外にも、看護師さんが替えの病衣を持ってきたり、検査の案内や、手術の説明に来たり、薬剤師さんや管理栄養士さんなどが説明に来たり、シーツ交換の人が来たりと、人の出入りは激しいです。
大部屋だと、その患者の人数分だけ出入りする人が倍増するため騒々しく、個室は自分に関係のある人しか出入りしないので、とても静かです。
ただ、夕方や夜間は看護師が減るためかなり静かになり、日曜日も看護師が少なめで医師の回診も、検査もなく、わりと落ち着いていられます。
大部屋にするか、個室にするか?
まず入院する時に、6~8人の大部屋にするか、2~3人数部屋などの少人数の部屋にするか、個室にするか迷う方も多いと思います。
基本的に、大部屋は差額ベッド代がかからないので希望する患者が多く、空きがない場合が多いようです。そのため、大部屋を希望しても、少人数部屋に回されることよくがあります。
差額ベッド代のかかる4人以下の少人数部屋や、さらに料金の高い個室は空いていることが多いため入りやすいのが現状です。ただその分、入院が長期に渡ると金銭的負担が増してしまいますね…
大部屋を希望しているのに、空きがなくて少人数部屋に回された場合でも、そのことに同意した署名をしていれば、差額ベッド代がかかります。その場合は、大部屋が空けば優先的に大部屋に回してくれます。
▼少人数部屋に仕方なく回された場合でも、差額ベッド代のかかる申込書を書かないといけない。

ただ、治療上の必要で少人数部屋になった場合などは、差額ベッド代を払わなくていい場合もあるそうです。
また、病棟は診療科ごとに分かれる場合が多いですが、ベッドの空きがなくて、別の診療科の病棟に回されることもあります。
部屋が決まってしまっても、他の患者がうるさかったりで病室を移動したければ、看護師さんに言えば、空いている部屋へ移動させてくれますので、大丈夫です。
大部屋のようすは?
差額ベッド代のかからない大部屋ですが、正直うるさいです!(笑)
大部屋は6~8人ほどのベッドが並べてあり、たくさんの患者がいるので騒々しく、人数が多い分、いびきがうるさい人、マナーのない人に当たる確率が上がります…
また、病状により咳が多かったり、息が荒かったりする方がいますが、これに関しては同じ患者として文句は言えません。
ただ、大部屋でも入院患者が少なく、ベッドが空いていれば自然と静かになります。
▼大部屋のベッドは、ほとんど電動タイプのシングルベッドで、布団が硬めです。

隣の患者とは薄いカーテンで仕切られているめため、ある程度プライバシーはあります。ただ、カーテンが薄いので、隣の患者の音はよく聞こえてしまいます。
カーテンの開け閉めは個人の自由で、カーテンを閉め切っている人もいれば、高齢の患者さんだとあまり気にしない人が多く、開けっ放しにしている方が多いです。
自分でカーテンを閉め切っていると、気の利いた医師や看護師は開ける前に声を掛けてくれる方もいますが、何も言わずにカーテンを開けてくる看護師などもいるので注意が必要です!(笑)
夜になると、ほとんどの患者さんは仕切りのカーテンを閉め切って、眠りにつきます。
1~4人程度の少人数部屋は?
料金のかからない「大部屋」でもなく、完全な個人空間である「個室」でもない、「1~4人程度の少人数部屋」の利点はあるのか?と疑問を持つ方もおられると思います。
しかし、私の経験上、少人数の部屋はかなりの利点を感じました。
私が入院したことがある少人数の部屋は、3人部屋です。ただ、同じ病院にある大部屋(6人部屋)を半分に割っただけで、ベッドの大きさも床頭台も同じで、自分の占有スペースの広さが変わりませんでした。
つまり、少人数部屋は大部屋と比べて、自分の占有スペースが同じなのに、差額ベッド代という余計な料金だけかかっていました!
しかし、少人数部屋は人数が少ない分、患者、看護師、面会者の出入りが少なく、大部屋より圧倒的に静かな環境だったのです!
そして、少人数部屋は差額ベッド代が個室よりかなり安く設定されています。プライバシーが欲しいけど、個室だと高すぎるという方は、是非2~4人程度の少人数部屋をお勧めします!
また、少人数部屋は差額ベッド代を徴収しているため、同じ病室内のベッドの位置で料金に差をつけている病院もあります。具体的には、入口側より窓側の料金の方が少し高く設定していたりします。
個室は?
個室はまさに、静か!自由!天国です!(笑)
個室は10畳くらいとかなり広い部屋が多く、ベッドもセミダブルが多く、差額ベッド代が1万円程度だとトイレや洗面所が備わり、1万5000円~3万円程度になると、シャワー室なども備わってる場合が多いです。
なにより他の患者がいないので、テレビを見るときもイヤホンをする必要もなく、夜も他人のいびきなども気にする必要がないので、自室のようにくつろげます!
ただ、入院が長くなれば、お金もそれだけかさんできます。そして、個室を希望する場合、入院時の補償金がさらに上乗せされる所もあります。
私の場合、大部屋が空いていなかったので個室に回されたのですが、とても静かで、洗面所もトイレもあり、空調も自由に変えられ、病室から出ることがほとんどありませんでした!
ICUや、症状が重い患者さんの病室は?
常に容態を見守る必要がある急性期の患者さんは、血圧、呼吸、酸素飽和度など24時間モニタリングされ、そのモニターがベッド上に置かれてあります。
病室はナースルームのすぐ隣に設けられ、入口のドアも、仕切りのカーテンも開けっ放しにされ、監視カメラで常にモニターされ、プライバシーはまったくありません!症状の都合上、当たり前ですが…
私の場合は、意識不明で病院に運ばれた時、集中治療室(ICU)に数日いたことがありますが、体が思うように動かないし、導尿カテーテルというチューブを尿道に挿入されているし、隣の患者は常にうめき声を上げていてまったく眠れず、プライバシーの欠片もなく、「もう、どうにでもしろ!」という感じでした…(泣)
ベッドは入口側か窓際か?
大部屋や少人数部屋だと、まず入口のドアがあり、そこから窓際までベッドが並べてありますが、どの場所が過ごしやすいのか考えてみました。
ベッドの場所 | 環境 |
入口側 | 患者や看護師の出入りが多くうっとうしい 夜に廊下の光が入る 入口からすぐなので、プライバシーが保てない |
真ん中 | 両側や向かいに患者がいるので音が気になる |
窓際 | 人が通り抜けることがないので、かなり落ち着ける |
大部屋は差額ベッド代がかからないため、どこでも料金は同じですが、このように入口側と窓際のベッドでは全く環境が異なります。
入口側は、とにかく患者や看護師、医師などの出入りが多くてうるさく、看護師などが来てすぐにカーテンを開けてしまうので、プライバシーが保てません。
そして、夜になると、病室のドアが開いたままだったり、ガラス部分があるドアだと、廊下の光が少し入ってきて、まぶしいです。
▼入口側のベッドは、夜でも廊下(右側)の光が差し込んで、真っ暗になりません。

逆に、窓際は人が通り抜けることがなく、かなりゆったりとくつろげます。また、看護師が入ってきても、窓際まで距離があるので、プライバシーを守る時間を稼げます!(笑)
▼窓際のベッドは、患者の出入りもなくとても快適!

しかし、基本的に入口側や窓際などのベッドの場所は選べません。もし窓際のベッドが開いたら看護師さんに交渉してみれば代えてくれるかもしれませんよ!
ベッド回りのようす
ベッドの脇には、たいてい、テレビや冷蔵庫、セキュリティーボックス、洋服の収納、スライドテーブルなどがついた床頭台(しょうとうだい)というものが備え付けられています。
これで、入院生活がだいぶ快適になります!セキュリティーボックスは貴重品を入れて、鍵をかけられる引き出しで、病室を出るときに利用します。テレビや冷蔵庫を使用する時にはテレビカードを1000円ほどで購入します。

壁にはナースコールのボタンがあり、夜でもうっすら光ります。コンセントの差込口は、この病院はたくさんありました。
エアコンは24時間常に効きっぱなしで、病室内は少々乾燥気味です。少し肌寒かったりしますが、夜は温度が下がらないため、逆に暑く感じたりもします。
また、天井などに監視カメラがある場合もありますが、基本的にナースステーションでは見られないようですので、気にする必要はないと思います!(笑)
スマホやパソコンなどの使用は?
病室での、携帯電話の通話はほとんどの病院では禁止ですが、それでも使用している人は割といます。ただ、同じ部屋の患者が注意することは少なく、看護師が気付くと必ず注意されます!
通話はダメでもネットなどの使用は可能で、デイルームや廊下の一番端などでは通話も可能な場合が多いです。
▼マナーモードにしていれば使用可能な場合が多いので、ネットは使用できます。


パソコンなどの電子機器は、入院前の説明で「持ち込み禁止」と言われる病院が多いです。
しかし、実際に看護師さんに聞いたら、静かに使用している分には大丈夫と言われました。もし使用できても、大部屋では静かに使用しましょう!デイルームでは使用可能の場合が多かったです。
気になる食事は?
入院中の食事は、朝は7~8時くらい、昼は12時くらい、夜は18時くらいに出す病院がほとんどです。
▼食事に関しては、詳しくはこちらに記載しています。

病衣はレンタルか持参か?
病衣とは、病棟内で切る服(パジャマ)のことです。自分のパジャマを持ち込むか、1日100円程度でレンタルを行っている病院も多く、8割ほどの患者がレンタルを利用しています。
簡単な手術の際は、そのままの服で行うこともあり、汚れることも多いのでレンタルした方がいいかもしれません。また、レンタルを強制している病院もあります。
レンタルの場合は週1~2回程度の交換になりますが、交換しなくても1日単位で料金がかかります。
▼ただ、病衣はやはり多少格好悪く(笑)、「病人」というレッテルを貼られている感じが強いので、それは嫌だという方は自分の服を持って行ってもいいと思います。
若い人は、持参した服を着ている人の割合の方が多かったですよ!

レンタルの病衣だけだと、部屋が寒かったりするので、カーディガンなどの軽い上着を着ている人は多かったですね。
お風呂はいつ入れる?
お風呂はひとつの病棟で1つだけの所がほとんどで、週2回程度決められた時間に入る病院や(入るのは自由)、朝にスタッフに申し出て、希望する時間帯が空いていれば、毎日でも入れる病院もありました。病院によってかなり変わります。
シャワーのみで、浴槽の使用は禁止しているところが多かったです。もちろん、自分の症状によっては入浴が禁止される場合もあります。
▼入浴出来る時間は、看護師が多い朝から夕方までの時間帯で、夜中は入れない病院が多いです。

洗面所は?
私の入院した病棟では、洗面所が5つほど設置されていました。コップ、ドライヤーなどもありません。泡石鹸とペーパータオルのみありました。
また、頭洗い専用の洗面所もありました。男女兼用でした。

デイルームとは?
みんなで寛げるリビングルームのような部屋のことです。
イスと机が並べられ、自販機や給湯器、雑誌、新聞などが置いてあったりします。テレビカードもここで買える場合が多いです。
デイルームには、テレビが置いてあり、テレビカードを使用せずに自由に見られる病院もありましたが、テレビが置いてない病院もありました。
ずっと自分の病室にこもっていると疲れるので、たまには大部屋でくつろぐのもいいかもしれません。
大部屋の患者さんの面会は「他の患者の迷惑にならないように、デイルームでしてください」とお願いされる場合が多いです。実際は、病室内でずっと話している方が多いですが…
消灯後の病室内は?
消灯時間になると、看護師が声を掛けに来て、強制的に電気を消してしまいます。
ただ、すべての患者が一斉に眠ることはなく、消灯直後はまだテレビを見ている方や、ベッドの照明をつけている方が多いです。(実際は、消灯後のテレビや照明の点灯は基本は禁止されてます)
また、夜でも空調が動いているため音がしますし、部屋も薄明りががついています。
病室のドアは夜は閉める場合が多いですが、開けっぱなしになっていると、廊下の光が入ってきて、かなり明るくなります。
▼夜でもうっすら照明が付いています。

また、夜、遅くになってもトイレに行く人などの出入りがあったり、誰かがベッドの明かりをつけたりと、気になって眠れないことが多いです。
私みたいな神経質な方は、耳栓やアイマスクなどは必需品です!
▼これは深夜0時です!右の人がベッドの明かりをつけていて、まぶしい…

どうしても眠れない場合、看護師さんに頼めば医師を通して睡眠薬を処方してくれます。睡眠薬は依存性があり常用は危険ですが、眠れずに体調を悪くするより、一度眠るクセをつけた方が次に眠りやすくなると思います。
また、看護師が深夜にペンライトを持って、1~2回ほど巡回に来ます。その時にテレビやスマホをいじっていると「眠れませんか?」とか声を掛けられてしまいますので、その時はタヌキ寝入りをしておきましょう!(笑)
他の患者との交流は?
病室は男性専用の部屋と女性専用の部屋で別れていますが、同じ病棟内にあるため、男女が顔を合わせる場合が多いです。
また、基本的に入院している患者はお年寄りが多く、男性の病室だと患者同士の交流は少ないですね。
逆に、女性の病室だとみんな仲良くしゃべっている感じがありました。まぁ、これは男女の違いによるものでしょうが…
私が小学生の頃に小児病棟に入院したこともありますが、小児病棟だとカーテンを閉めることは全くなく、同じ病室の患者みんなとすぐに仲良くなっていましたね。
ただ、年配の男性患者でも、看護師さんとは仲良くなっている方が多かったです。自分は人見知りなので、あまり仲良くなれませんでしたが…(笑)
建物の外に出られるか?
ずっと、病室にこもっているとさすがに疲れます。もし、症状がよくなったら、外を歩きたくもなりますよね?
病院によって違いますが、病院の敷地内なら建物から出てもいい場合が多かったです。ただ、衛生上の理由か、病衣のまま建物外に出ることは禁止されているところが多いです。
私も、病衣から私服に着替えて、外を散歩したりしていましたが、大学病院だと敷地が広くて境界線がない場合が多く、いつの間に敷地外に出てたりします。それに乗じて、敷地外に出てちょっと買い物することも…(笑)
ただ、本来、敷地外へ出る場合は、医師の外出許可が必要なので注意しましょう!
まとめ
以上のように、実際の入院生活、病棟のようすはこのような感じです。
とにかく、大部屋は落ち着かないです!神経が図太い方なら大丈夫ですが(笑)、そうでない方は耳栓やアイマスクは必須で、場合によっては、睡眠薬を頼んだりした方がいいと思います。
少人数部屋だと、自分の占有スペースが大部屋と変わらなかったりしますが、病室を出入りする人がかなり減るため、落ち着いた環境でいられます。
差額ベッド代も2000~3000円程度で、短期の入院なら申し込んでみてもいいかもしれません。
一番快適なのは個室ですが、やはり差額ベッド代がかなり高いので、金銭的に余裕のある方向けでしょうか…