車検の費用って、とても高いですよね?
しかし、ユーザー車検なら、法定費用だけで済みます。
今回、軽自動車のユーザー車検を受けてきたので、その流れなどを説明したいと思います。
まずは自分で定期点検整備
ユーザー車検は、自分で24ヶ月(2年)定期点検整備を行わないといけません。自分で出来ない部分は、整備工場で行ってもらいます。
今は、24ヶ月定期点検は、車検の前と後でも構わないことになっていますが、検査場で記録簿を提出する必要があるので、行なっておくとよいです。
そして、クルマの下回りの検査もするので、クルマの下も汚れを落としておいた方がいいですよ。
また、タイヤのナット類も点検しますので、検査の日にはホイールカバーは外しておきましょう。
▲24ヶ月定期点検は自分で行なうことになります
検査の予約をする
普通自動車の場合は運輸支局に行きますが、軽自動車は「軽自動車検査協会」にクルマを持ち込みます。
そのため、軽自動車検査協会のホームページで、検査の予約をします。電話での予約でも構いません。
ネットでの予約は、メールアドレスや名前などを登録してから行います。土日を除いた、14営業日以内なら予約できます。
▲まずはホームページで予約します
予約時間
予約時間は4つのグループ(ラウンド)に分かれています。都合のいい時間に予約しましょう。
ラウンド | 1ラウンド | 2ラウンド | 3ラウンド | 4ラウンド |
受付時間 | 08:45-10:00 | 10:15-11:45 | 12:45-14:00 | 14:15-15:45 |
検査時間 | 09:00-10:15 | 10:30-12:00 | 13:00-14:15 | 14:30-16:00 |
ユーザー車検に必要な書類
車検時の必要書類
まずは、検査場に行く前に、揃えておく書類です。
- 車検証
- 自賠責保険証(今までのもの)
- 軽自動車税 納税証明書
- 24ヶ月定期点検整備記録簿
- 印鑑(サインでも可)
▲車検証や自賠責保険証はグローブボックスに入っているはずです
検査場の窓口で入手する書類
上の書類のほかに、検査場の窓口で入手できる書類があります。
- 継続検査申請書
- 軽自動車検査票
- 自動車重量税納付書
- 自賠責保険証(新しいもの)
必要な費用
そして、検査場の窓口で支払う料金も必要です。
下は私が今回払った費用です。地域や車種によって費用が変わってきます。
- 予備検査場:2,000円
- 検査手数料(印紙代):1,400円
- 自動車重量税:6,600円
- 自賠責保険料:25,070円
- 代書費用:1,100円
- 合計:36,170円
予備検査場(テスター屋)で事前検査
自分で定期点検を行うと、車検を通すのに必要な、光軸や、排ガス、ブレーキ、サイドスリップなどの特殊な機器が必要な整備はできません。
そのため、当日、検査場に行く前に、検査場の近くにある「予備検査場(テスター屋)」に行って、その部分について1,500円~3,000円程度で検査してもらうのがいい方法です。
予備検査場によってはユーザー車検はお断りの場合もあるので、事前に確かめておくといいです。
予備検査場で検査できる項目
予備検査場は、実際の検査場で行う項目を検査してくれます。同時に、その項目についての調整も行なってくれます。
- サイドスリップ検査
- スピードメーター検査
- ブレーキ検査
- ヘッドライドの光軸
- 排ガス検査
▲予備検査場は実際の検査の予行演習にもなります
私の場合、自分のクルマのスピードメーターが43km/hを示すと、測定器の速度が40km/hだったので、それを覚えておいて、実際の検査場で生かしました。
それと、ライトの光軸がずれていたので、光軸調整もしてもらいました。かかった費用は合計2,000円でした。
予備検査場で調整できるのは、検査に関わる簡単な項目のみです。ここで検査をパスすれば、本番も問題なく合格できると思います。
ただし、予備検査場では調整不能な大きな不具合が見つかると、実際の検査での合格は難しく、別の整備工場などで修理する必要があります。
検査場に行く
予備検査場で事前検査をしてもらったら、すぐ近くの検査場に行き、まずは事務所で手続きをします。
▲検査場はすぐ近くにある場合がほとんどです
申請書窓口
まずは、検査場の事務所に行き、申請書窓口で、予約したことを告げます。
軽自動車検査票、継続検査申請書、自動車重量税納付書を購入し、必要事項を記入します。
書類作成に自信がなかったり面倒なら、同じ敷地内などに代書屋さんがあるので、1,200円程度を支払って頼むといいと思います。
▲まずは書類の手続きをします
重量税の窓口
申請書とは別の重量税の窓口で、自動車重量税の印紙を購入し、それぞれ自動車重量税納付書に貼り付けます。
▲申請書の窓口と、重量税、自賠責保険などの窓口は分かれています
自賠責保険、代書窓口
次に、自賠責保険の窓口で、現在の自賠責保険証を提出し、新しい自賠責保険の費用を払います。
書類作成が面倒な方は、ここで代書屋さん料金を払って頼みましょう。
申請書窓口
必要書類を揃え、重量税や自賠責などの支払いを終えたら、再度、申請書窓口で、それらの書類と、定期点検整備記録簿を提出します。
提出する書類
- 車検証
- 納税証明書
- 24ヶ月定期点検記録簿
- 自動車検査票(印紙貼付済)
- 継続検査申請書
- 重量税納付書(印紙貼付済)
- 新しい自賠責保険証
自動車検査票に受付印を押してもらい、書類を返されます。それを持ってクルマに乗り込み、いよいよ検査コースに行きます。
検査ライン
書類の手続きが終わったら、いよいよクルマに乗り込んで、検査ラインに入ります。
事前見学も可能
検査コースは、事前に見学することができるので、どのよう流れになるのか確認しておくといいです。
▲事前に見学もできます
検査ライン
検査ラインには運転手一人のみで入ります。検査場によっては複数のコースがあります。
そして、検査員の指示が聞けるよう、左右の窓を開けて、ラジオなどのスイッチは切っておきましょう。
外観検査
自分の番が回ってきたら、検査官に書類を渡して、指示に従って、ライト類、ワイパー、ウォッシャー、クラクションなどを付けて電気系統のチェックをします。
その後、ボンネットを開けて、検査員がエンジンルームの配管や、車台番号の確認をします。また、メーターパネルなどの内装も確認されます。
▲検査員の指示に従ってライト類を点灯させます
排ガス検査
検査場内に進み、停止線に止まって、エンジンをかけたまま、ギアをパーキングに入れてサイドブレーキを掛けます。
車から降りて、排ガス測定器のプローブというホースをクルマのマフラーに60cmほど入れます。20秒ほどで終わります。
判定が表示されたら、記録表に記録します。
▲クルマのマフラーに測定器を突っ込みます
サイドスリップ検査
クルマの直進性(まっすぐに進むか)の検査をします。
表示板が「待機」から「進入」に変わったら、ハンドルをしっかり持って、検査コースの白線に沿って、ゆっくり通過するだけです。
▲歩く速度で通過します
スピードメーター検査
タイヤ四輪がローラーに乗るように、停止線でクルマを止めます。
ギアはドライブのまま、音声電光表示の通りに、アクセルを踏んでスピードメーターが40km/hになったらパッシングを長めに2秒くらい点灯させます。
速度がどんどん上がっている状態ではなく、40km/hの安定した状態になってからパッシングするのがコツです。
▲電光掲示板と音声案内の指示通りに行います
ヘッドライト検査
スピード検査と同じ場所で行い、ギアをニュートラルにします。
ロボットのような測定器が動いて、左右のライトを自動的に測定してくれます。音声案内の通り、すれ違い用前照灯、ハイビームを点灯させます。
ブレーキ検査
そのまま同じ場所で、ギアをニュートラルのまま、パーキングブレーキをかけないまま待機します。
タイヤにかんである下のローラーが回り、「フートブレーキを踏んでください」と音声案内があるので、思いっきりしっかり踏み込みます。
同じ要領で、下のローラーが回るので、「駐車ブレーキをかけてください」と表示されたら、サイドブレーキも思いっきりしっかり掛けます。
「フートブレーキ」って、何かと思ったら「フットブレーキ」のことらしいです。
下回り検査
スピード、ヘッドライト、ブレーキ検査が終わったら、前進してリフトの上にクルマを載せます。
サイドブレーキを引いて、ギアをニュートラルにして、エンジンを切ります。
その後、リフトが上がります。検査員の指示通り、ハンドルを左右に切ってステアリングの検査をします。
また、検査員がタイヤの空気圧やナットの締め付け、オイルの漏れなどをハンマーで叩きながら確認します。
▲クルマを持ち上げられて検査員が点検します
判定
リフトが下がったら、検査員から判定表をもらい、合格なら終了です。
もし不合格なら、悪かった場所を近くの予備検査場で直して、再度検査を受け直しましょう。
当日の再受験なら、軽自動車は3回まで手数料が余計にかかることはありません。後日だと、再度車検手数料1,400円がかかってしまいます。
再度、申請書窓口
合格したら、再度、申請書窓口に行って、新しい車検証と、車検標章をもらいましょう。
ディーラーや車検専門店で車検を受けると、検査標章はすぐにはもらえないことが多いですが、車検場で直接検査するとすぐにもらえます。
▲ユーザー車検は合格すればすぐに検査標章をもらえます
かかった費用
結局、私がユーザー車検でかかった費用は、合計36,200円でした。
- 予備検査場:2,000円
- 検査手数料:1,400円
- 自動車重量税:6,600円
- 自賠責保険:25,070円
- 代書費用:1,100円
- 合計:36,170円
車検専門店などで行うと、6~8万くらいかかるので、だいぶ安く済みました。
事後の整備
車検に通っても、もし予備検査場などで問題を指摘されていたら、後で自分で整備をしておいた方がいいです。
車の不具合で万が一、事故を起こしてしまっては、せっかく車検の費用を安くあげても、逆に高くついてしまいます。
ユーザー車検のメリットとデメリット
このように、ちょっと面倒なユーザー車検ですが、そのメリットとデメリットを上げてみました
メリット
- かかる費用が法定費用だけなので、圧倒的に安く済む
- 自分のクルマの理解が深まり、知識が身につく
デメリット
- 自分でクルマを整備する必要があり、知識が必要
- 自分で検査場に行き、手続きをする手間
- クルマの故障を見逃す可能性がある
- 検査場は土日は開いていない
- 検査に落ちると追加の整備費用や再受験の手間
このように、ユーザー車検は、クルマの知識を必要とし、手間がかかるなどのデメリットも非常の多いです。
ただ、クルマ好きの人なら問題なくできますし、費用も圧倒的に安く済みます。
クルマに詳しくない方でも、ユーザー車検ができるように、知識を身につければ、いざ車が故障したときなどにも、その知識が役立ちますよ。
ユーザー車検が面倒なら
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まとめ
このように、ユーザー車検は法定費用だけで済み、自分のクルマの理解も深まります。
ただ、かなりの手間がかかり、知識がないとなかなか難しいのも事実です。
まずは、自分でクルマの整備できる箇所を増やしていって、最終的にはユーザー車検ができるようになれば一番いいですね。