さて、家賃や初期費用が安いビレッジハウスに住もうと考えているけど、古い住宅だからゴキブリが出たら嫌だなぁ~と躊躇っている方もいると思います。
そこで、ビレッジハウスに住んで3年経つ私が、その「G」が出るのかどうか、出るとしたらその理由は何なのかについて解説します。
ビレッジハウスに「G」は出るのか?
まず、結論から述べますと、ビレッジハウスは「G」の出る確率がかなり高い物件と言えるでしょう。
私の住むビレッジハウスは関東の田舎の物件で、4月に入居しましたが、3か月後の7月から10月にかけて、数日おきにキッチンや風呂場に現れていました。
内覧時に管理人さんにゴキブリが出るのかどうかを聞いたところ、出ないと思いますと答えられたので、裏切られた気分でした。
同じビレッジハウスの住人の方に聞くと、その方の部屋でもしょっちゅう出ると聞きますし、敷地の道路にヤツの死骸が転がっていることもよくあります。
一方、同じビレッジハウスの別の住人の方に聞くと、「ゴキブリは数年に1回見るくらいで、ほとんど出ない」という方もおられ、かなり驚きました。
同じ場所に住んでいながらこうも違うのですから、ゴキブリが現れるかどうかは、自身や隣近所の生活環境、そして住んでいる地域にも大きく左右されるということです。
私自身の部屋について
私の部屋はビレッジハウスの5階のため、地面からかなり離れていますが、ヤツは夏の夜になると何食わぬ顔で現れます。
バルコニーがない方の和室の窓のサッシの隙間にクロゴキブリの初齢幼虫を見かけたことがあるので、普通に外壁を登ってきたのだと思われます。
また、私は1週間に1度掃除をするくらいで、お世辞にもきれいな部屋とは言えないため、ゴキブリが現れやすい環境は整っていたといえるでしょう。
特にトイレやお風呂場はほとんど掃除をしないため、髪の毛やゴミなどが溜まったりして、チョウバエも良く出現していました。
ただ、さすがに「G」が毎日のように現れるのは気が滅入るので、トイレやお風呂場、シンクなどの水回りの掃除は念入りにするようになりました。
また、ビレッジハウスは網戸がなかったり、窓のサッシの隙間や、部屋中のありとあらゆる部分に隙間があるため、その隙間を埋める作業を繰り返していました。
本腰を入れて対策をしたら出なくなった
そんな「G」対策を長期間していると、2年間の夏のある日を境に「G」がほとんど現れなくなったのです。
▲洗面所の排水管がお風呂場の上の排水溝の上に直接開いている
そのポイントとなったのは、洗面所の排水溝が繋がっている排水管が、風呂場の排水溝の上に直接開いている部分でした。
ここが怪しいとにらみ、洗面所の排水溝の穴と、風呂場に直接開いている排水管の出口をネットで塞ぎました。
すると、パタリとヤツの出現がなくなり、どうやら、ヤツらはこの排水管の中に棲み付いていたようでした。
よく考えれば、排水管の中は洗うのが難しいため、餌となる汚れも多いし、なにより水も豊富であり、暗くて狭い、ヤツらにとっては絶好の住処だったのです。
ビレッジハウスに「G」が現れやすい理由
さて、このようにビレッジハウスにゴキブリが現れやすい理由としては、建物が古いため気密性が低く、部屋の至るところに隙間があるということが挙げられるでしょう。
例えば、窓のサッシに隙間があったり、そもそも網戸が設置されていなかったり、キッチンや洗面所の排水管と埋め込まれている壁との間に大きな隙間があったりします。
また、外と繋がっている配管にも虫の侵入防止策がとられておらず、部屋の中にも壁と天井に境や、押し入れの壁と天井に繋ぎ目部分など、ありとあらゆる場所に隙間があります。
ゴキブリは身体が扁平で、隙間に潜り込むのが得意であり、成虫でも2~3㎜の隙間があれば侵入可能で、卵から孵ったばかりの初齢幼虫だと1mmあれば簡単に侵入できます。
そして、一度「G」の侵入を許してしまうと、ビレッジハウスの室内は隙間だらけですので、その隙間に潜って中でこっそり棲み付き、主人の知らぬうちに繁殖してしまうのです。
また、ビレッジハウスの住人は低所得者や外国人なども多いため、部屋にゴミを散らかしている住人がいる可能性も高く、ゴキブリの繁殖元となる場合があります。
このようなことから、ビレッジハウスは比較的「G」が現れやすい環境と言えるでしょう。
築年数が浅い物件ほど「G」は現れにくいのは確か
では、ゴキブリが現れにくい住宅はどのようなものかというと、ビレッジハウスとは逆の建物、つまり築年数が浅い、比較的最近建てられた建物でしょう。
近年の住宅は、気密性が非常に高く、外部から「G」が入って来れるような隙間がほとんど開いておらず、部屋の中にもゴキブリが棲み付けるような隙間がありません。
更に、24時間換気システムが設置されていれば、住宅内の空気が常に循環していますから、湿気がこもりにくく、「G」が好む環境ではないのです。
とはいっても、新しい住宅だから「G」が絶対現れないのかというと、そうではなく、洗濯物を取り込んだ際や、荷物に紛れて家に入り込んでしまうこともあります。
また、掃除もろくにしないごみ屋敷のような環境では、いくら築年数が浅い物件だからと言って、ゴキブリが繁殖しやすい環境が整ってしまいます。
また、自分が部屋をいくらきれいに掃除していても、隣の部屋がごみ屋敷では、隣で繁殖した「G」が間違って自分の部屋に侵入してしまいかねません。
つまり、ゴキブリが現れるかどうかは、築年数もありますが、住んでいる地域や自分の住環境、隣人の住環境などに大きく左右されるということです。
そして、比較的新しい物件なら、確かに「G」は現れにくいのは事実ですが、もちろん家賃は高くなってしまいます。
家賃の安さを求めるのならば、どうしても築年数が古い物件になり、他の賃貸住宅を選んだとしても「G」の出現頻度はほとんど変わらないでしょう。
家賃の安さと「G」が出ないことを両立させたいのなら、ビレッジハウスで「G」対策をした方が賢明です。
対策はまず敵を知ること!
さて、ゴキブリ対策はどのようにすればいいかというと、まずは敵がどのような特徴を持っているかということを知ることが大切です。
ゴキブリは、サナギの時期がない不完全変態の昆虫で、寿命は1年~2年半ほど。人家によく現れるのは「クロゴキブリ」という種類です。
クロゴキブリは、卵や幼虫の状態で冬を越すと、暖かくなった春から夏にかけて活動し始め、5~6月頃に羽が生えた成虫になります。
昼間はあまり活動しない夜行性であり、水をよく好み、雑食性で、食べ物のカス、残飯の汁、人間の髪の毛、動物のフン、他の昆虫の死骸、段ボールなど、何でも食べます。
また、夜行性が故、他の昆虫より嗅覚が非常に優れていて、嗅神経細胞の備わった長い触覚により、家の外から部屋の中の食べ物のカスなどの匂いをキャッチし侵入してくるのです。
一方、寒さと乾燥には弱く、広くて明るい場所が苦手のため、高温多湿で狭くて暗い場所を探し、人家に入ってきたり、下水道の中などに棲み付いたりします。
人家に入ってきたクロゴキブリは、水や餌が近い場所である、台所やお風呂場などの排水管の中やシンクの裏側、壁の隙間などに隠れて棲み付きます。
つまり、ヤツらは暖かい夏になると、夜に台所やお風呂場、トイレなど水回りを中心に現れ、水分を取ったり、残飯やその汁、人の垢などからも栄養を摂取しているのです。
クロゴキブリの初齢幼虫を知れ!
よく家に現れるクロゴキブリは、中齢から老齢幼虫の成長段階の個体が多く、羽が生えた成虫が現れることは少ないかもしれません。
それは、クロゴキブリの絶対数が幼虫の方が多く、弱肉強食の環境で生きていくうち、成虫にまで成長できるのはごく一部に限られるからです。
また、身体が小さい幼虫時代の方が、人家に侵入しやすいという理由もあります。
しかし、その幼虫時代のゴキブリの方が実は厄介で、老齢幼虫や成虫と比べ、幼齢幼虫は寒さに強く、昼間でも行動し、その状態で越冬できるという性質があります。
特に、初齢や二齢幼虫の時はかなり小さく、パッと見「G」と分かりにくいため、「何か変な虫がいる」と思われて見過ごされてしまうこともあります。
▲クロゴキブリの成長過程(引用:害虫駆除100番)
▲クロゴキブリの初齢幼虫(引用:シー・アイ・シー)
しかし、その姿は特徴的で、初齢、二齢幼虫は体長が5㎜程度で、黒い身体に白い模様が2本入った姿をしていて、一見ゴキブリとは分からないような姿をしています。
この姿だと、あまり怖がる方はいませんが、こいつこそヤツの分身ですので、部屋で見かけたら放置せず、この段階で抹殺しておくことが大切でしょう。
まとめ
ということで、ビレッジハウスは築年数が古く、部屋に隙間が多く、24時間換気システムもない住宅のため、ゴキブリが出現しやすいといえるでしょう。
しかし、家賃の安い物件を求めるのならば、どうしても築年数が古い物件になってしまうので、「G」の出現頻度は変わりません。
素直にビレッジハウスで「G」対策をする方が効果的でしょう。